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良い姿勢は「背筋を伸ばす」だけでは足りない。

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「背筋を伸ばし、良い姿勢でいよう」そう思ったことはありませんか?

 今回の記事では私が良い姿勢を保つ上での悩みと、それを解決する上で参考になっている本について紹介します。

 

 

良い姿勢のメリット・デメリット

良い姿勢のメリット

良い姿勢のメリットとは何でしょうか。

「良い姿勢 メリット」とググってみると「日本姿勢改善協会」というところがヒットしました。

http://www.sisei-kaizen.com/posture/

 

ここで書かれているメリットは以下のものになっています。

・血液の循環が良くなるので、肩こりや腰痛、不眠などの予防や解消につながる。

基礎代謝が良くなるので脂肪燃焼効果が上がり、太りにくいカラダになる。

・呼吸が深くなることで腸内環境が整い、健康につながる。

・便秘改善になる。

・スポーツにおけるパフォーマンスが向上し、さらにスポーツ障害の予防にもなる。

・正しい姿勢で呼吸をすると腹横筋が締まってくるため、ウエストが引き締まる。

・美肌になる。

・女性はより美しく、男性はよりたくましく、外見的な変化も生まれる。

 

良いことづくめです。要するに、「元気になる」ということですね。

 

 

 

 悪い姿勢のデメリット

反対にデメリットはこんな感じです。

・内臓が圧迫され、心肺機能や消化機能が低下するなどのカラダの不調を引き起こす。

・血行不良が起こることで代謝が悪くなり、脂肪燃焼効果も下がり、太りやすい体質になる。

・肌の荒れ、くすみ、シミ、たるみ、二重アゴなどの原因にもなる。

・肩こりや腰痛、頭痛などの痛みを引き起こす。

・集中力が低下する。

不眠症を引き起こす。

・呼吸が浅くなることから自律神経が乱れ、精神的不安の原因にもなる。

 

これは要するに、「調子が悪くなる」ということですよね。

 

 良い姿勢にしているのに「調子が悪い」

私は基本的に「姿勢良いね」と言われる方(まあ坊さんだし)なのですが、その一方で悩みがありました。それは「良い姿勢をすると体が緊張する」ということです。

 

背筋を伸ばしていると、どうも体が硬くなります。肩が凝ります。なぜか側頭部まで硬くなってきます

 

あまりこの「姿勢改善協会」で紹介されているメリットの部分は実感することはなく(もしかしたら無意識に享受しているのかもしれませんが)、むしろデメリットの方が強く感じられました。「元気になる」どころか、「調子が悪くなる」方が実感として多いのです。

 

現にマッサージ好きな先輩から首を触られた時に「凝ってるねー!」と嬉々とした表情で言われ、姿勢を良くするのは損だと思うほどでした。

 

これはおかしい。そう思いながら色々と試行錯誤していったのですが、気にすればするほど凝りは深まるようでした。

 

本の紹介

そうして、現状を打開するのにとても参考になる本と出会いました。JIDAIさんの『筋力を超えた「張力」で動く!』です。

 

 

JIDAIさんはアートマイムという身体表現アートのパフォーマーのようです。マイムというと、パントマイムをイメージしますが、それよりも深い身体性、人間の内面の表現を目指しているようです。

アートマイムについては以下サイトに詳しく載っています。

http://jidai.mond.jp/artmime/diary/diary.php?id=306649

 

上に行き、かつ下に行く

さて、私がこの本で一番参考になったのは第2章「『立つとは浮きつつ垂れること』」でした(全体の目次は最下部に載せておきますね)。私の悩みは主に座っている時の姿勢で、立つことではなかったのですが、次の言葉が衝撃的でした。

 

立つという状態は止まっている状態ではありません。といって、それは常にバランスを取り続けているという意味ではなく、エネルギーが上方向と下方向へと常に流れ続けているという意味です(p30)

 

何のことやら、となってしまうような文章ですよね。

JIDAIさんはエネルギーを「気」と似たような意味で使っているようですが、私は「体の伸びを感じる方向」と受け取りました。この伸びは筋肉の伸びという物理的な要素もあるかと思いますが、伸びている感覚という、精神的な面も併せ持つ概念だと受け取りました。

 

他にも色々と参考になるものがあるのですが、特にここで引用した、「エネルギーが上方向と下方向へと常に流れ続けているという意味」というところが本当に重要なところだと思います。

 

「あ、自分は上方向ばかりに行っていたな」と気づいたのです。

 

どういうことかというと、「良い姿勢にする」と考える時、普通は背筋を伸ばそうとしますよね。そうすると上方向ばかりに行ってしまいます。でもいつまでも上方向に行くわけではありません。身体的な制約がありますからね。背筋がどこまでも伸びていくというのはあり得ないことです。

 

上に行っていると同時に下にも行っている。

 

背筋を伸ばすと、お尻や足は下の方に向かっている

 

不思議なものですが、これを意識しただけで座っている姿勢が本当に楽になったのです。もちろん背もたれも使っていません。

 

ちなみにJIDAIさんは目や眉あたりを境に上と下方向の意識を持つようにする「くらげ立ち」を勧めています。あちこちで上下の方向を意識するよりは、どこかのラインで上下を意識すると良いということのようです。

 

確かに目や眉のあたりのラインで上下の方向を感じるのも良いですが、個人的にはみぞおちの上、胸骨らへんを意識すると良いなと思いました。あくまでも主観ですが。

 

 これを実践しているとそれまで良い姿勢を保つことで感じていた「調子の悪さ」が減り、「元気になる」ということが少し感じられるようになってきました。

 

上に伸びると一緒に、下に行く。

もし姿勢を良くすることで余計な体のこわばりを感じてしまっている人は、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

 

この本の文章は色々と本質的な部分が指摘されていて参考になるのですが、残念ながら紹介されているワークはちょっとわかりづらいです。ワークショップに参加するか、DVDを購入するというのが手のようですが、5000円もするようです。ちょっと高いですね。

 

 

実際のレッスンの価格は…やっぱり5000円はするようです。

https://jidai9.wixsite.com/lesson/schedule

 

コロナ騒ぎがおさまったら受けてみたいと思います。

 

 本書目次

以下、amazonページに載っている目次です。

 

・第1章 エネルギーは身体のすきまを流れる

 

 ・第2章 「立つ」とは浮きつつ垂れること

・第3章 和の身体と西洋の身体、そのエネルギーの流れ

・第4章 踏む力と、下丹田中丹

第5章 肘・膝が、末端と体幹をつなげる 

・第6章 パワーとは、相反する力を同時に成立させる張力 

・第7章 お腹の力は、足腰に力を入れないため!

・第8章 呼吸とは、〝する〟ものではなく〝通す〟もの!

第9章 音感覚に身体は支配されている!

・第10章 ゾーンの鍵は、空間支配を生み出す「体性感覚」!

・第11章 感情のコントロールは身体のコントロール