開脚前屈でおでこが床に付くまで。真向法のススメ。
柔軟体操が嫌いでした
「お前はおじいちゃんみたいに体が硬いな」
中学2年生の時、体育の先生に言われた言葉です。今でも鮮明に覚えています。
体育で実際に体を動かす時間は好きでしたが、柔軟体操は本当に嫌いでした。
自分が周りよりできないから。
そんな劣等感にとどめを刺したのがこの先生の言葉でした。
特別なスポーツをしていなければ、体が硬いことで不便を感じる人というのは多くないでしょう。
しかし、私は体の柔軟性が無いことで苦しめられることになりました。
それは坐禅です。
中学から高校にかけて、週に1回坐禅をした(させられた)のですが、この足の組み方は体の硬い人間にとっては拷問のようでした。
この6年間は片足だけのパターンでやっていたのですが、それでも結構な苦痛がありました。
これは半跏趺坐(はんかふざ)と言います。
大学の卒業後、本格的な修行道場に入ったのですが、そこで要求される足の組み方はこれです。
両足を組む。
…不可能だと思いました。
激痛に耐え、また時にはこっそりほどき、バレないように坐禅の時間をやり過ごしていました。
真向法との出会いと実践
そんなときに出会ったのが一つの体操でした。
それは真向法(まっこうほう)と言われるものです。
お世話になっている老師が一般の坐禅体験者向けに説明してくれたのがこの真向法というものでした。
「坐禅を組むのに良い」と言われ、今の自分に必要なものだ!と感じました。
正式には4つの体操があるのですが、私が教わったのは最初の3つ。
特に第1体操と第3体操を重点的に実践することに。
お風呂上がりなどに、繰り返してやってみました。
何度か自分でも試しているうちに、徐々に柔らかくなるのを実感していったのです。
本当に、徐々に、徐々にではありましたが。
トライは断続的に続き、そうしていると次第に結跏趺坐(坐禅で両足を組むやり方)も楽にできるようになってくることに気づいたのです。
修行から帰ってきても、真向法を続けることにしました。
もっとも、しばらくサボったりすることもありましたが、ふと思い立ってはやってみる、そしてまたサボる、また始めるというのを繰り返してきました。
おでこがつきました
始めてから約5年、この前ついにおでこがつくほどになりました。
あれ、今日はなんか行ける気がするな。
と頑張ってみたところ、
ちょこん
と床におでこに触れたのです。
感動的でした。
もっと真面目にやっていればこんなにかかることもなかったのでしょうが、それでもなんとか達成できたこと
だから何、と言われてしまうけれど、めちゃくちゃ体が硬くとも、繰り返しやっていけば体を柔らかくしていくことはできる!
自分の小さな達成に拍手喝采。
大げさかもしれませんが、「おじいちゃんのように硬い」と言われた自分の体がここまで柔らかくなったのは本当に感動ものです。
モチベーションの維持のために
「おじいちゃんのような体の硬さ」だった私でもここまでできたのですから、同じように悩んでいる人には、諦めずに柔軟体操(この真向法は特におすすめです)を続けて欲しいな、と思います。
ただ、単純に体を柔らかくしようと思っても、継続するのはなかなか難しいものです。柔軟性はすぐにはつきづらいですし、「柔らかくなった!」と思った次の日にはまた硬くなることもしばしば。心が折れかかることもあります。
そうして気づいたらまた柔軟体操をやめてしまうこともしばしば。
私は体の柔軟性を確認するようなアクティビティーを取り入れられるとモチベーションの維持に良いのではないかと思います。
私は坐禅をやっていますが、たまにヨガもやります(月に1回ぐらいのペース)。この中でやるアーサナ(ポーズ)でも、真向法の効果を実感しています。
もちろんこれ以外でも良いのですが、体(特に下半身)の柔軟性が活きるような活動を取り入れてみましょう。
何より、「あ、体硬くなったかもしれない」と感じるきっかけになりますからね。股関節の硬さや、内腿の筋肉のこわばりとかは普段の日常生活だけ送っていたり、普通のスポーツだったりジョギングだけをやっていても気がつかないものです。
とは言っても私もまだまだおでこが床についただけ。
次は胸がつくように頑張っていきたいと思います。
目指せ開脚ぺったん!